まるで実験室のようなワクワクを感じられる酒蔵カフェが秋田県八峰町にOPEN!常に新しいことへチャレンジをし続ける酒蔵〜秋田県の酒蔵 株式会社山本酒造〜

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山本酒造とは?【秋田県の酒蔵】

酒美
酒美

唐突だが、秋田の日本酒ってどんなイメージがあるかね?そして、秋田にはいくつの酒蔵があるか知っているかな?

酒太郎
酒太郎

本当に唐突ですね!うーん…なんとなく西日本よりも甘口な印象ですね。NO.6の新政や雪の茅舎は知っています!でも、毎回飲みすぎてしまってよくわからないです、すみません…笑

酒美
酒美

気をつけたまえよ、酒太郎君。実は、秋田県内には38蔵あり、清酒酒造出荷額において全国第6位(2017年時点)だ。ただ100年前140蔵以上の酒蔵が秋田県にあったと言われている

資料:秋田県総合食品研究センター醸造試験場

酒太郎
酒太郎

ええ〜!そんなに酒蔵があったんですね。確かに、秋田はお米がたくさん取れるし、酒蔵も今よりもあったんだろうな。でも、経営を続けることは難しいですよね…何か秘訣があるのかな?

酒美
酒美

まさに、そうだ。そんな訳で今回は、創業1901年から秋田の地で酒造りを続け、新しいチャレンジを繰り返し、ファンの期待にとことん答え続ける山本酒造を紹介する。心して刮目せよ!


山本酒造の魅力

世界遺産・白神山地の天然湧水で仕込んだ日本酒がなまらうんめえ!

酒美撮影:白神山地を水源とする酒蔵より3km離れている白瀑(しらたき)の名称元の滝

酒美
酒美

酒太郎君、紹介の前にごく簡単な質問をするぞ。日本酒は何を原料にしているかな?

酒太郎
酒太郎

ここは間違えちゃいけないやつですね…。お米と水ですか?

酒美
酒美

間違えてはいない。正確に言うと【酒米】【水】【米麹(こめこうじ)】だ。さて、山本酒造では何を隠そう…【水】を非常に貴重な水源から得ているのだ。それは【世界遺産・白神山地の天然湧水】だ。

酒太郎
酒太郎

それはすごいですね、ご利益がありそうですでも、僕はなぜその水が良いのか全くわかりません…。

酒美
酒美

それはそうだろう。では、白神山地の水がどれほどすごいのかを、下記の3つの項目にまとめたので確認してもらいたい。

自然の恵み天然のダムと言われるほど保水力に優れた白神の森。森に降った雨は、地表を覆うブナの葉土に貯えられ、長い時間をかけて地下に浸透する。そして森林土壌フィルターにより不純物が取り除かれ、清らかな水となり再び地表に出てくる。
採水地白神山地の水の原水は、青森県西津軽郡鯵ヶ沢町に位置する白神山地の「湧き水」である。採取地および周辺の森林に民家などはなく、関係者以外立ち入ることはできない。
超軟水硬度は0.2mg/Lの超軟水。ちなみに日本の水道水のミネラル含有量は低いが、硬度の平均値は 48.9 mg/L と言われている*。くせがなく、よりまろやかな口当たりであることが明らかだ。
*2021年東京大学 堀ら調査結果より参照
参考:有限会社 白神山美水舘HP
酒太郎
酒太郎

なるほど…もの凄く貴重な水を使っているんですね!僕も次の飲み会で山本の日本酒があったら、皆に教えてみます!

酒美
酒美

まあ、早まるな酒太郎君よ。蔵人の思いを知らずして、日本酒が語れるだろうか?

もちろん、後輩や先輩との飲み会の時に、知っている日本酒があると話の種にできる。だが、物事の背景やストーリーを語れる者は、話に深みが出る。すると、一目置かれる存在となり、様々なチャンスが巡ってくるのだよここまで聞いてどうだ?

酒太郎
酒太郎

ぐう…。おっしゃる通りですね。そういえば最近、上司から「酒太郎君の話は、なぜだか面白くないわ」と言われて、イラッとしたことを思い出しました。山本酒造をきっかけに、僕は日本酒の勉強を始めます!

酒美
酒美

よし、それでよい。それでは、ようやく本題に入っていくぞ。


蔵人の志や仕事ぶりがしったげいいね!(訳:とても良い感じ!)

酒美
酒美

これまでの山本酒造の遍歴については、私が愛読するSAKEStreetの空太郎先生の記事を引用させていただく。山本酒造の過去から現在の【山本】銘柄が、誕生するまでのストーリーを確認してみよう。


引用:https://www.sakenomy.jp/brewery/K01N005013/

「山本」の誕生:経営不振から蔵元杜氏制へ
1901(明治34)年創業の山本酒造店の5代目蔵元・山本友厚さんの息子として生まれた友文さんは、大学では機械工学を専攻。卒業後は東京の音楽事務所に就職し、アーティストのマネジメントやコンサート運営のために国内外を飛び回っていたそうです。

ところがある日、父・友厚さんから「一緒に酒蔵を経営していた親類が相次いで亡くなり、酒蔵の経営状況も悪化しているため、近い将来に酒蔵を畳むつもりだ」と連絡が。「それなら、自分がやるしかない」と、まったく畑違いの世界に入ったのが2002年のことでした。

蔵に戻ると経営はジリ貧状態で、招いていた杜氏も高齢のため、確かに蔵を畳むのは時間の問題だったといいます。窮地に立たされた友文さんは、「杜氏に高額な給料を払い続けて倒産するぐらいなら、最後に自分の手で造ってみよう」と決意。杜氏制を廃止して、2007BYより自ら製造責任者として酒造りを開始しました。

初めて仕込んだ純米吟醸酒タンク4本のうち、一番出来が良かったお酒を近隣の酒販店に持ち込んだところ、店主が「これは美味しい!」と太鼓判。「山本が自ら造った酒なのだから、それを銘柄に使えばいい」とアドバイスを受け、新しい銘柄「山本」が誕生しました。
引用:20230201カフェを併設したマイクロ日本酒ラボを新設。込められた想いとは – 秋田県・山本酒造店山本 浩司(空太郎) 
酒太郎
酒太郎

なるほど…山本さんはもともと音楽業界で就職していたけれど、実家が酒蔵だったからなおさら継ぐ覚悟が必要だったんだ。僕は両親ともに会社員の家庭で育ったので、まだピンときていないんですが…。酒蔵を経営するのは、どれほど大変なことなんですか?

酒美
酒美

いい質問だ。日本酒業界は、近年【クラフトサケ】と言われる新しいジャンルのお酒が誕生したり、【若手醸造家の出現】、【米中への輸出】によって盛り上がりを見せたりしている。が、年々国内の酒造メーカー数の減少、酒類の売上の減少が喫緊の課題とされているのだよ。そして、20代30代前半の飲酒量も最盛期と比べると半減していることから、市場規模も縮小しているんだ。ゆえに、儲ける目的だけで参入する業界ではないことが、現状では明らかになっている。また、後継者不足や経営難で、M&Aを選択する酒蔵もここ数年で右肩上がりに増えているぞ。

クラフトサケを製造する酒蔵ら。詳細は下記のリンクから。
引用:https://craftsakebreweries.com/

参照:M&A総合研究所|酒蔵の廃業を救え!清酒酒造・日本酒業界のM&A・売却・買収事例18選!費用や手順は?」
https://masouken.com/%E6%B8%85%E9%85%92%E9%85%92%E9%80%A0%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AEM&A

酒美
酒美

ちなみに、M&Aした酒蔵について、神奈川県の瀬戸酒造にも取材へ行ったぞ。<リンク>から詳細を知ることができる。ぜひ、読んでいただきたい。

酒太郎
酒太郎

はい!読んでみます!ちなみに、山本酒造の今後にはM&Aの可能性はあるんですか?これまでの話の流れからすると、そうなのかなと…。

酒美
酒美

率直すぎる意見だな、酒太郎君よ。

そもそも、M&Aに踏み切る企業は、人材不足と経営者の高齢化による「後継者問題」が大きく影響する。事業承継がうまくできず、結果的に「廃業」を選択せざるを得ない企業が多い。対して、山本酒造には20代〜30代の若い蔵人が多く勤めているんだ。なぜ若い人材を多く雇用できるのか。これは、山本さんの仕事への考え方がポイントになる。


引用:https://www.branding-wear.com/blog/yamamoto

酒美
酒美

特徴的な取り組みの1例として、彼らは入社祝いとして、山本さんからスピーカーが一人1台支給される。自分の持ち場で、好きな音楽をかけてモチベーションをあげながら仕事に励んでいる。蔵の中も、非常に明るく風通しがよく、ビートルズの巨大なポスターが貼ってあったり、ネオンでの装飾があったりと、職場環境はまるでイケているベンチャー企業以上の遊び心があったぞ。これは、山本さんが音楽業界で就職していた背景と、1日8時間の仕事の中にも遊び心や楽しさ、ワクワクを持って過ごして欲しいという思いがあっての取り組みだそうだ。

また、若い世代にはライフイベントが偶発的に発生することもある。例えば、結婚、出産や育児がその一例だ。そこで山本酒造では、産休育休推奨と共に、一部給与支給や、育休後の勤務についても十分に配慮するとのこと。

もし、酒太郎君が結婚して彼女との子どもができた場合、これは嬉しいことではないか?

酒太郎
酒太郎

本当にそうですね!蔵人は、ロマンがあってカッコいいなと思いますが、実際働いてみるとイメージと違って、体力を使う仕事だと思いますし。もし、僕が結婚していたら、なおさら働き方は考えたいですよね。

酒美
酒美

そうだな。まずは、彼女を作るところから始める必要があるがな。

酒太郎
酒太郎

(グサッ…)おっしゃる通りです。とりあえず次にいきましょう。


山本の日本酒ね、どれを飲んでもうんめえ!

酒美
酒美

さて、山本酒造について説明したので、ここでは山本酒造の日本酒を紹介したい。が、山本酒造のHPhttps://www.yamamoto-brewery.com/productsに、初心者でもどのようなお酒か丁寧に書いてあるので、ここを読んでもらえれば十分だ。購入希望の方は、こちらも山本酒造HPより、近くの酒販店にてお買い求めいただきたい。

酒太郎
酒太郎

先生!急に、紹介が雑になりすぎてませんか?僕は新しい日本酒の紹介をしてもらいたくて、ここまで話を聞いているんですよ!!

酒美
酒美

まあ、そう思われても仕方がない。でも、考えてみて欲しい。日本酒は嗜好品である以上、その人の美味しいと感じる瞬間も違う。例えば、「私の好きな日本酒は〇〇だから、酒太郎君も好きになると思うから、ぜひ飲んでみて欲しい」と職場の先輩から勧められ飲んだ時、「あれ、なんか違うな」と感じることは今までなかったか?

酒太郎
酒太郎

あ、確かにありました!その時、先輩は本当に日本酒好きなのか?」と疑心暗鬼になってしまった僕がいましたね。

酒美
酒美

要するに、美味しさの感じ方は、一人ひとり異なっていると言うことだ。そのため、自分が興味を持った日本酒を少しずつ試していくことが良い。少しずつ試すって難しいと思うが、試飲会などは最近よくやっているぞ。最近では、六本木でのクラフトサケイベントや、新潟の酒の陣など全国各地で開催された。イベントについては<リンク>に随時更新しているため、チェックして欲しい。

酒太郎
酒太郎

承知しました!!今後イベントにも参加して、自分の好きな日本酒を見つけて行きます!

引用:https://www.fashion-press.net/news/99734


山本酒造の酒蔵見学

酒美
酒美

まず、日本酒作りについて、簡略化して示した図がこれだ。日本酒は、菌による発酵の力を借りて作られるお酒であるその奥深さは1日かけても話尽くせない。日本酒の世界をもう少し知りたい人は、​​​​https://sake-5.jp/how-to-make-sake/から発酵のメカニズムを学習することをお勧めする。ここからは山本酒造の一部の特徴ある設備について語るために一旦、酒太郎君は黙って聞いてくれ。

酒太郎
酒太郎

承知しました!!

引用:https://sake-5.jp/how-to-make-sake/


お米を蒸す段階

酒美
酒美

これは県内の木材を使用した巨大な蒸篭(せいろ:お米を蒸す器)だ。大人が両手を広げても足りないほど、大きな特注の蒸篭である。

2枚目は新設のカフェ用の蒸篭だ。木製の角型蒸籠を最大5段重ねて米を蒸す。仕込む際には300Lサイズのミニ木桶を4本、これも秋田杉の特注とのこと。出来上がった醪(もろみ)はひしゃくで麻袋に入れ、竪型の槽(3枚目中央の機械)に積み上げて搾る。秋田杉は杉の香りが日本酒に移ってしまうのではないか…と懸念があるが、特殊な漆で丁寧に内側を塗装されているため、酒質を高めつつ香り移りのない代物に仕上がったそうだ。


タンクで仕込む(醪:もろみ)を作る段階

酒美
酒美

一気に工程を飛ばしたが、日本酒作りも最終段階だ。【蒸米・米麹・酒母】この3つを混ぜてできた液体を「醪(もろみ)」と呼ぶ。もろみ作りは、アルコール発酵を進める作業であるが、材料を一度に全部混ぜるわけではない。材料の投入は、4日間で3回に分けて行う手法で、江戸時代から続く「三段仕込み」と呼ばれる製法を使用する。全ての材料を合わせた後で、3週間から5週間かけてアルコール発酵を進めることができる。

鍵となるのは、お酒の種類に合わせ、醪はおよそ15℃前後、または10℃以下に保つことだ。発酵が進んだ醪の表面は、ふわふわと真っ白な泡に包まれた状態(2枚目)。この泡が消え、液体化してきたらできあがりの合図。数日から1週間後に「搾り」を行う。


仕込んだ日本酒を出荷する段階

酒美
酒美

これは、ただ私が感動した出荷前の様子。
3m以上も積み上げられた山本酒の量、そして秋田の地から私たちの手元に届く起点であることを実感した途端、山本ファンであれば興奮間違いないだろう。

酒太郎
酒太郎

先生の視点ってたまに変わってますよね…。

酒美
酒美

いいではないか、人の興味関心はそれぞれだからな。


山本酒造の実験的カフェとは〜LABO and CAFE YAMAMOTO〜

酒美
酒美

最後に、酒太郎君が将来の彼女とデートに行ける場所を紹介する。日本酒が好きな人もいれば、初心者でまだ飲んだことのない人もいる、日本酒が飲めない人もいるが、3者皆楽しめる空間となっているとのこと。実際私が行った時は、まだ施設は開設していなかったが、2023年4月よりOPENとのこと東北旅行の際、寄り道しても楽しい場所だ。酒太郎君、どうかね?

酒太郎
酒太郎

はい!ぜひ行きます!僕は日本酒が大好きなので沢山飲んで泥酔しないように、気をつけて行きます!!

酒美
酒美

それは…よろしく頼むぞ。



3月25日(土)、八峰町にある「山本酒造店」が日本酒の醸造所(ブルワリー)とカフェを併設した、日本酒の新時代を彷彿とさせる施設をオープン。生酒のテイスティングをメインに、「ピエール・エルメ・パリ」のマカロンと、コーヒーまたはラテのセットなど、カフェメニューも提供する。
 社長が「山本酒造店の実験室」と話すように、醸造所には4つの木桶を設置し週ごとに異なる日本酒を仕込む。その様子を店内から眺められ、仕込んでいる生酒をその場で楽しめるという、「山本」ファンにはたまらないサービスが。日本酒は常時3種類を提供し、2,000円ですべて試飲可能。量り売りも行い、温度が変わらない専用の真空ボトル(有料)かペットボトルで持ち帰りできる。
 ドライバーにはコーヒーがオススメ。同酒造店が使う酵母の風味をイメージした2種のオリジナルブレンドを日替わりで味わえる。同店限定の酒粕のマカロンと一緒にぜひ。
引用:https://web.akita-townjoho.jp/gourmet/20230328-labo-and-cafe-yamamoto/

LABO and CAFE YAMAMOTOの詳細

住所秋田県山本郡八峰町八森字八森13-1
TEL070-1146-9430
営業時間10:00〜16:00
定休日火曜・水曜
席数28席
駐車場あり

〜さけみの余談〜

弟子1号
弟子1号

大舘空港に着陸前、空港上空に分厚い雲があり、30分以上上空を待機。山本酒造の見学ができないかと思わせる雰囲気が漂ったが…。パイロットの方の安定感あるテクニックにより無事着陸、ありがとうございました!次の記事をお楽しみに!!

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